離島残置工作員

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久米島の戦争を記録する会『沖縄戦 久米島の戦争』インパクト出版 (2021年)

 

離島残置諜報員は、陸軍中野学校が、第一期生の渡辺辰伊少佐を隊長として、1944年の初夏ら9月にかけて養成を始めた。その狙いは、戦中よりむしろ戦後、敵に島を占領されてからも、島の山中に潜んで敵の動静を無電で送り続ける諜者を養成することであった。わずか3ヵ月の訓練を受けただけで現地へ送られている。中野学校の学生は「名誉や地位を求めず、日本の捨石となって朽ち果てる」ことを信条としていたといわれ、日本軍一般の教育とは異なり、いきて虜囚の辱めを受けてもなお生き残り、二重スパイとなって敵をかく乱するなど、あくまでも任務を遂行するよう教育された。そのためか激戦の沖縄戦でも中野学校出身の戦死者は、極めて少ない。

久米島の戦争を記録する会『沖縄戦 久米島の戦争』インパクト出版 (2021年) p. 101

  

  潜入先 偽名 本名
1 伊平屋島 宮城太郎 (国民学校訓導) 斎藤義夫 (旧姓:菊地)
2 伊是名島 西村良雄 (青年学校指導員) 馬場正治
3 与那国島 柿沼秀男 (国民学校訓導 宮島敏朗 (旧姓阿久津)
4   山本政雄 (国民学校訓導) 仙頭八郎 (旧姓:中屋)
5 波照間島 山下虎雄 (国民学校訓導) 酒井清 (酒井喜代輔)
6 久米島 深町尚親 (青年学校指導員) 氏元一雄
7   上原敏雄 (国民学校訓導) 竹川実
8 黒島 山川敏雄 (青年学校指導員) 河島 登
9 多良間島 中島正夫 (国民学校訓導) 高谷守典
10 粟国島 佐々木一夫 (国民学校訓導) 鈴木清十郎
11 西表島 不明 増田保夫